ペーパースカイ【完結】
女の友人同士というのは仲がよくなればなるほど、

それこそ恋人同士のように、いや、もしかしたらそれ以上に。

精神的にも肉体的にも、距離がなくなってしまう気がするのだ。

そのくせ、あまりにも密接しすぎると、ささいなことでトラブルが起きる。

「昨日の友が今日の敵」

なんて場面は、数え切れないほど見た事がある。


私は昔から、女の子なら誰もが当たり前のようにする

「連れトイレ」すら抵抗があるタイプだったから、

あまり特定の女の子と深入りしたつきあいをしないようにしようと思っていた。

苺だけだ。

私に、そんな事を考える余地も与えず、なんてこともなくするりと心の中に、

ちょうどいい心地よさで入り込んできたのは。

それは、知り合って四年経った今でも変わらない。

髪に触れたり抱きついてきたり、ベタベタと甘えたような事をしても、

ずかずかと心の中に、直球で入り込んでくるような物言いをしても。

苺には、なぜか寄りかかってくるような重苦しさを感じない。

それが、どうしてなのかはわからない。

ただ、苺はいつも正直なのだ。
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