ペーパースカイ【完結】
〈12〉苺&輪子:マンホール・オア・ペーパースカイ
「はい、お土産。ヤケ酒ダ!!」
苺はごっそりビニール袋の中に、缶ビールと缶カクテルを持って家にやって来た。
ニュウっと両牙を見せながら笑っている苺を見て、私は心底ホッとした。
まぶたを赤く腫らしているけど、苺はもう泣いていなかった。
二人ともお酒なんか全然飲めないから、一缶めのビールでもう、あっという間に
酔っ払ってしまった。
残りのお酒をこっそり持ち出し、私達は外に出た。
「あーすごい風涼しいねぇ~夜って気持ちい~」
「酔っ払ってるもんねぇ~よけいに気持ちいーね~」
「で、どこ行こっか?」
「んじゃ、あそこは?くじら公園」
私は公園のベンチに座って、また飲めないお酒の缶を開けた。
苺は、でっかいくじらにトンネルや梯子のついたオモチャのてっぺんでお酒を飲みつつ、
キャイキャイはしゃぎながら、空を見上げていた。
「落っこちないでよねー苺ぉ!!」
「輪子ちーん!月がぁーめっちゃきれいだよ~~上がっておいでよーーぅ!」
二人とも、なかなか失恋の話を切り出さなかった。
お互いに、顔が見れた事だけで、とりあえず満たされていたからかも知れない。
苺はごっそりビニール袋の中に、缶ビールと缶カクテルを持って家にやって来た。
ニュウっと両牙を見せながら笑っている苺を見て、私は心底ホッとした。
まぶたを赤く腫らしているけど、苺はもう泣いていなかった。
二人ともお酒なんか全然飲めないから、一缶めのビールでもう、あっという間に
酔っ払ってしまった。
残りのお酒をこっそり持ち出し、私達は外に出た。
「あーすごい風涼しいねぇ~夜って気持ちい~」
「酔っ払ってるもんねぇ~よけいに気持ちいーね~」
「で、どこ行こっか?」
「んじゃ、あそこは?くじら公園」
私は公園のベンチに座って、また飲めないお酒の缶を開けた。
苺は、でっかいくじらにトンネルや梯子のついたオモチャのてっぺんでお酒を飲みつつ、
キャイキャイはしゃぎながら、空を見上げていた。
「落っこちないでよねー苺ぉ!!」
「輪子ちーん!月がぁーめっちゃきれいだよ~~上がっておいでよーーぅ!」
二人とも、なかなか失恋の話を切り出さなかった。
お互いに、顔が見れた事だけで、とりあえず満たされていたからかも知れない。