ペーパースカイ【完結】
「…もうとっくに充分、仲良しじゃん」

「うん!でも今日もっともっと、仲良くなったもーん♪」

失ったものと、手に入れたもの。

苺の言う「OK」の意味がなんとなく、ようやくわかったような気がした。

「ねぇ苺」

私は空に向かってぴんと指を伸ばし、尋ねてみた。

「あの月さぁ、苺にはどんなふうに見える?」

「ん?どんなふうって?輪子にはどう見えてるの?」

「なんかね…マンホールの底から覗いて見える、遠い世界の光に見える」

「じゃあ、あたし達ってば今、マンホールの底にいるのー?」

そんなのやーだー!!と、足をばたつかせる苺。

「あたしにはねぇ、んーと……あの空の黒い部分は全部、でっかい紙に見える!!」
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