ペーパースカイ【完結】
〈f〉輪子:ティアーズ・パーク
「くじら公園じゃ近過ぎるから、もうちょこっと遠い公園に行こうよ!」

ぴょんぴょん、苺はウサギになって先頭をスキップで歩く。

「じゃあどこまで行くの?」

「んーーー…あ!!N池公園は???バス乗っちゃえばすぐ着くし!!

ね、一哉君、一哉君はN池公園行った事ある???」

今度は後ろ歩きをしながら、私の隣りを歩く彼に苺が尋ねた。

「いや、ないす」

「苺、前向きなよ。また転んじゃうわよ」

私の言葉にエヘへ!と笑い、くるっ!と前に向き直る。

「そっかぁー行った事ないんだ~

けっこう広い公園なんだよ!鬼ごっことかも、できるくらい!!」

「プ…」

一哉と私、思わず同時にちょっと吹いてしまった。

「えーー?何々??何がおかしいの二人ともぉ!!」

苺が、不満げな声を上げる。

「だって…」

「ねぇ?」

一哉と私は、お互いの顔を見て、ますますおかしくなってしまった。

考えた事が、たぶん一緒だから。

「なんだよぅ!教えてよぅ!!」

「くっくっくっく…」

笑いが止まらなくなった一哉の代わりに。

仕方なく私が、口を割る。
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