ペーパースカイ【完結】
輪子は休み時間も教室で一人、静かに読書をしていることが多かった。
(邪魔になるかな?)
そう思いながらも、輪子の机に近づいていくと、輪子はにっこりと笑って本にしおりをはさみ、あたしの話し相手をしてくれた。
一緒に下校するようになった一学期の終わりの頃からは、本を閉じる輪子の左手の中指にはいつも、小さなダイヤが二つついた銀色の指輪がキラリと光っていた。
彼氏ができたのだ。
相手は、私たちの中学校の近くにある高校に通っていた陽司君。
通学路で見かけた輪子に一目ボレしたと、当時高校一年生だった陽司君は言っていた。
わかるわかる!!って、あたしはすっごく納得した。
初めて輪子から陽司君を紹介された時の事だ。
「あたしも輪子に一目ボレしたんですよ!」
って言ったら、優しく目をほそめながら
「じゃあ仲間だね」
って陽司君は笑った。
パッと辺りに陽がさすような、名前通りの笑顔だった。
とってもお似合いの二人。
あたしは、輪子にますます憧れていった。
(邪魔になるかな?)
そう思いながらも、輪子の机に近づいていくと、輪子はにっこりと笑って本にしおりをはさみ、あたしの話し相手をしてくれた。
一緒に下校するようになった一学期の終わりの頃からは、本を閉じる輪子の左手の中指にはいつも、小さなダイヤが二つついた銀色の指輪がキラリと光っていた。
彼氏ができたのだ。
相手は、私たちの中学校の近くにある高校に通っていた陽司君。
通学路で見かけた輪子に一目ボレしたと、当時高校一年生だった陽司君は言っていた。
わかるわかる!!って、あたしはすっごく納得した。
初めて輪子から陽司君を紹介された時の事だ。
「あたしも輪子に一目ボレしたんですよ!」
って言ったら、優しく目をほそめながら
「じゃあ仲間だね」
って陽司君は笑った。
パッと辺りに陽がさすような、名前通りの笑顔だった。
とってもお似合いの二人。
あたしは、輪子にますます憧れていった。