金色の師弟

アデルより頭一つ分小柄な彼女は、アデルを見上げ首を傾げた。

騎士団の一員であり、普段は鎧姿の彼女も夜中ということで桜色をした薄手のワンピースに身を包んでいた。

そして、このノルンこそがアデルの婚約者である。

「鷹が見えたから。あれはメルディからでしょう?」

「あぁ。増援を送ってくれるそうだ」

アデルの言葉に、ノルンはまばたきを繰り返す。

驚きが浮かんだその顔に、アデルは緩く微笑んだ。

「どうした?何かおかしいか?」

「おかしくはないけれど……。増援なんて必要かしら?」

ノルンの疑問も、間違ってはいない。

つい先程までは、シェーダの兵のみで討伐に向かう予定だったのだから。
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