金色の師弟
アデルの瞳が、緩やかに細められる。
綺麗な微笑に、ルイの心臓が一際大きく跳ねた。
「いつまで見惚れている気だ?」
むぎゅ、とルイの両頬が掴まれる。
ぼうっとしていたルイは気付くことができず、軽い痛みで我に返った。
「見惚れへにゃんか……」
「何言ってるかわからないぞ?」
否定の言葉を紡ごうにも、アデルが楽しそうに頬をつまんでいるため、思うように言葉が出ない。
ルイは身体の横から包むように伸ばされたアデルの腕を、振りほどいた。
「見惚れてません!アデルさん、からかうのはやめてください!」
顔を赤くし息を荒げたルイの必死さに、アデルは笑いを堪え切れない。
必死さについつい、いじめたくなる。
アデルは屈めていた身体を正し、両手を腰に当てるとわざとらしく悲観的な表情を浮かべた。
「見惚れてたんじゃないのか?期待したんだが……」
「期待……?」
落ち着きを取り戻したルイは、おずおずとアデルを覗き込んだ。