金色の師弟
足を止めたノルンに吊られ、腕を掴まれていたアデルの足も止まる。
しばらく立ち止まっていたノルンは、はっとしてアデルを見上げた、その表情は釈然としないものだった。
「……」
「何だ、その珍しいものを見るような顔は」
「……いえ、まさかアデルがそんなことを言うとは思わなかったものだから」
ノルンの正直さは、アデルも好ましいと感じている。
しかし、自分へとぶつけられる疑いの混じった不躾な視線は気持ちいいものではない。
「放っておけと言ってるだろう?俺はお前ほど不器用ではないのだから」
ノルンの額を手の平で軽く叩くと、彼女は小さく仰け反り身体を離した。
離れたノルンは真っ赤な顔でアデルを睨み上げる。