金色の師弟

ライラは目を伏せ、何かを考えている様子で腕を組んだ。

何度か会ってはいるものの、中々掴みきれないライラに困惑しながらも、ミーナは話を再開させる。

「あちらは商業国ですから、オネストと同盟を結びより安く食物を得たいのだと思います」

「それは一理ある」

「それに……父上ももう永くはありません……」

「ミーナ様……」

肩を落とし、ミーナはか細い声で囁いた。

ルイには両親がいない。

だから、ミーナの悲しさを真の意味で理解することは出来なかった。

だが、大切な人を失う辛さは知っている。

それに、いつものミーナの笑顔を知っているから、その胸の痛みを推量することはできた。

だからこそ、何も言えなくなった。
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