金色の師弟
「ミーナ様、デモンドへのお返事はどのように……?」
ルイに問われ、ミーナは静かに首を横に振った。
「お断わりしています。受ければ、オネストがデモンドの支配を受けることは明らかですから」
その通りだろう、とライラは一人頷いた。
オネストの国王は病床に臥せ、現在はミーナを中心に宰相たちが彼女を支えている。
次期国王を欲しがっているのは、事実だろう。
だからといって、他国の者を受け入れれば、その国がオネストを支配するのは分かり切っている。
ミーナの判断は正しい、とライラは内心で頷いていた。
ミーナが「けれど……」と口を開くまでは。
「もしも本当にデモンドがオネストを手に入れるためにこのようなことをしているなら、私は婚姻を受けようと思います」
「何を……!」
思わず詰め寄るルイ。
ライラも絶句し、ミーナを見つめた。