金色の師弟

ミーナの両腕を掴みながら、ルイは俯き唇を噛む。

「イアン様に……貴方を頼むと言われたのです」

「え……」

ルイは勢い良く顔をあげると、涙目でミーナに訴えた。

「イアン様はミーナ様のそのようなお顔は望んでおりません!私たちが、何度でも力になりますから……!」

そんな笑顔、しないでください……。

弱く呟かれた言葉に、ミーナは肩を震わせた。

彼女が思い浮べたのは、心優しいイアンの笑顔。

いつもミーナを見守っていた、太陽のような明るい笑顔。


「イ、アン……」


唇の端から零れた名前。

堪えていた涙は、呆気なく溢れだした。
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