金色の師弟
アデルの技に追い付きたいと思うような気骨のある人材は、残念ながらシェーダにはいなかった。
そもそも、大した力などなくても地位が約束されている貴族たちの集まりが、貪欲に強さを求めようとはしない。
数少ない気骨のある騎士の一人。
国を守るために力を付けてきたノルンでも、アデルの真似をしようとは思えない。
そもそも、出来るとは思えなかった。
「貴方、凄いのね」
ノルンは、ぽつりと呟いた。
目の前の若い少女は、アデルの技を見て逃げなかった。
同じ弓兵であるなら余計にアデルのずば抜けた才を感じただろうに、それを得ようとした。
ノルンはその心に、感動すら覚える。
そして同時に、アデルの気持ちがわかった気がした。