金色の師弟

ルイは首を傾げながら、大きく手を振る。

ライラが動きを止めた理由など、知る由もなく。

「ライラー!」

「!」

ライラはびくりと肩を震わせ、顔を上げた。

丸くした目を、普段の不機嫌に細められた形に戻し、ルイの元へと歩き出す。

その足取りは重い。


ルイはライラが来るまでに紹介を済ませようと、アデルとノルンへと向き直った。

「彼はライラといって、えーと……軍師のような人です。少し気難しいところもありますけど、いい人ですよ」

ルイの紹介が終わる頃、ライラは三人に合流した。

笑顔を浮かべるアデルとノルンに、じろじろと観察するような目を向ける。
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