金色の師弟

「俺はアデル。シェーダの弓騎士だ。よろしく頼む」

「私はノルン。同じくシェーダの騎士よ。よろしくね」

「……」

愛想のいい二人の挨拶を、黙って見上げるライラ。

仏頂面で見上げられ、二人の笑顔が引きつっていく。

初対面の相手に無視をされれば、アデルたちに限らず同じ反応を取るだろう。

あからさまに不快感を出さないだけ、二人はましかもしれない。

ルイは慌てて、ライラの腕を掴んだ。

「ライラ!挨拶くらいしてください。失礼ですよ」

「………………よろしく」

ため息混じりにしぶしぶ吐き出された一言。

失礼極まりないその態度に、ルイは思い切りライラの頭を平手で殴った。

いきなりの行動に、ライラだけでなくアデルやノルンも言葉を失う。

「全員が私やイアン様みたいに貴方の良さを知ってるわけじゃないんです!初対面の人くらいにはしっかり挨拶してください!」

怒鳴り付けられ、ライラは殴られた頭を擦りながら茫然とルイを見上げていた。

ライラが無愛想なのは仕方がない。

それがライラの個性なのだから。

しかし、不必要にライラが嫌われていくことがルイには耐えられなかった。
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