金色の師弟

尊敬する師であるアデルに対して無礼な態度であったことは、ルイを怒らせるきっかけになった。

しかし、彼女が何よりも頭に来たのは、いつでも同じライラの態度であった。

ルイは、ライラが決して悪い人間でないことも、ライラの良さも知っている。

確かに口は悪いし、態度はでかいし、敬意というものは母親の腹の中に忘れたような人間だが、イアンの役に立とうとする気持ちは誰より強い。

ライラはいつも頭を回転させ、メルディ王国の脅威となりえそうな可能性を見つけると、その芽を摘もうと全力を尽くすのだ。

イアンへの忠誠を言葉ではなく態度で示している。

だがそれは、誰もが気付くものでもなくて。

ライラを生意気だ、性格が悪いと揶揄する者も少なくはない。

ルイは、それが堪らなく許せないのだ。
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