金色の師弟

ルイは状況が掴めず、交互に二人を見上げた。

険悪な雰囲気を恐れているのだ。

「それは気が利かなくて悪かった」

悪怯れもせずライラはそう口にすると、視線を後ろで不安げに様子を窺うノルンへと向けた。

口元に、緩い弧を描く。

「アデル・ヤーデにノルン・マーティン……。どちらもシェーダ国では有名な貴族だ」

同盟国とはいえ他国のライラに家名まで知られていたことに、アデルとノルンは驚きを隠しきれなかった。

そしてライラは、さらに驚くべき事実を口にする。

「本当に気が利かなくて悪かった。婚約者同士の時間を邪魔してしまったのだから」

「……!」

アデルは驚愕に目を見開く。

何故、ライラがそこまで知っているのか。

だが、アデルにとってそんなことは大した問題ではなかった。
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