金色の師弟
山賊討伐
作戦決行日の早朝。
オネスト国内であろうとも日課の訓練をこなしたルイは、流した汗を落とすため町から少し外れた泉へ沐浴にやってきた。
「べたべたする……」
服が肌に張りつく不快感に、ルイは眉をしかめた。
訓練時に着用する薄手の衣類を脱ぎ、泉の中で軽く洗ってから木の枝に干す。
着替えに持ってきた衣服を畳んで岸辺に置くと、ルイは爪先から泉へと片足を入れた。
「冷た……」
ルイは小柄であるが足の筋肉は引き締まっており、見事な曲線美を描いている。
爪先から足首、ふくらはぎと鋭い冷たさに締め付けられルイは身体を震わせた。
一糸纏わぬその姿。
ルイはそのまま、もう片方の足も泉へと付ける。
そしてゆっくりと、中心に向けて歩いていく。
進むたびに広がる波紋。
静かな水音と小鳥のさえずりだけが辺りに響く。