金色の師弟
(頭痛くなるなぁ、もう)
ルイは考えることを止め、泉の冷たさに身を委ねた。
穏やかな流れに身を任せ、しばらくしてからルイは上がろうと腹に力を入れて下半身を水中へ沈める。
「え?」
だが、付くと思って沈めた足が泉の底に付かない。
必死に水を掻きながら足を動かすが、虚しいことにルイの爪先は何も掠めなかった。
「やっ……、嘘!?」
ルイが普段から利用している浅いメルディの泉とは違い、この泉は中心の深さは大の男の身長程ある。
それを知らなかったルイはいつのまにか中心部まで移動してしまったらしく、水深はルイの身長を越えてしまっていた。