金色の師弟

アデルはゆっくりとルイの身体を引き上げていく。

普段は後ろで緩く結んである髪は朝ということで下ろして、水気を帯びて首や肩へと張りついていた。

水を含んだ衣類の重さに手足を引き摺られながらも、アデルは慎重な手つきでルイを抱えて、泉から上がる。

「大丈夫か?」

「あ、はい……」

ルイを見下ろし、アデルははっと視線を上に逸らす。

ばつの悪そうな表情に、ルイは今の自分の姿を思い出し顔を真っ赤にする。

健康的な素肌は何も隠すものはなく、惜し気もなく晒されていた。

「あ……!」

ルイは慌てて体を隠そうと、アデルの腕の中で身を捩る。

体から離れそうになったルイを、アデルは再び水の中へ落とさないように、抱き締めた。

「……見ないから」

穏やかな声で囁き、アデルはルイの身体を視界に入れないように、小さな身体を自身の胸に押し当てた。

その一言にまた恥ずかしくなり、ルイは顔を俯けた。
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