金色の師弟
アデルは脱ぎ捨てた上着を手に取ると、ルイの身体に掛けてやった。
「ありがとうございます……」
「気にするな。着替えはあれか?」
アデルはルイを草の上に、両手で丁寧に下ろした。
ルイはアデルの上着を羽織り、赤い顔のまま頷き、服を取るために立ち上がろうとする。
しかし、アデルが柔らかな口調でそれを止めた。
「座ってろ。取ってくるから」
肩を押され、ルイはぺたりと座り込む。
真っ赤な顔で俯くルイに軽く微笑むと、アデルは背を向けて綺麗に畳まれた着替えを取りに向かう。
その背中を見つめるルイの瞳は、切なげに揺れていた。