金色の師弟

隣ではアデルにまだ手を掴まれたまま、ルイが崩れた土砂を振り返っていた。

ライラも振り返ると、満足気に頷いた。

「これで全て飲み込んだか?」

「たぶんな。……しかし、面白いものを使う」

ライラの問いにアデルは頷き、薬品の隠されたマントに目を向けた。

ライラは表情を変えることなく、僅かに腕を持ち上げてアデルへとマントの中を見せ付ける。

「僕に武才はない。だが、頭がある」

人差し指で二回頭を突くと、ライラはふぅと息を吐いた。
< 185 / 687 >

この作品をシェア

pagetop