金色の師弟
隣ではアデルにまだ手を掴まれたまま、ルイが崩れた土砂を振り返っていた。
ライラも振り返ると、満足気に頷いた。
「これで全て飲み込んだか?」
「たぶんな。……しかし、面白いものを使う」
ライラの問いにアデルは頷き、薬品の隠されたマントに目を向けた。
ライラは表情を変えることなく、僅かに腕を持ち上げてアデルへとマントの中を見せ付ける。
「僕に武才はない。だが、頭がある」
人差し指で二回頭を突くと、ライラはふぅと息を吐いた。