金色の師弟
さて、と二人は整理された道の両側に鬱蒼と茂る森を見た。
道が塞がってしまった以上、この中を進んでいくしかない。
「行き以上にゆっくり進むことになるな、これは」
「どうせ帰るだけだ。隊員たちの気持ちは行きよりも軽いだろう」
それもそうか、とアデルは頷き道筋を頭の中に描く。
しばらくは真っ直ぐ進み、途中で森へと入って崩れた崖を大回りで避けて降りるしかなさそうだ。
一気には進めそうにない。
どこかで身体を休めなければ。
一日で終わらない場合も想定し、各々二食分の簡易食料は用意してある。
だが、この雨の中では休息など不可能。
どこか雨風をしのげる場所を探さなければ。
森の中、木の下でもそれなりにはしのげるだろうが、完全には防げないし、足元も悪い。
洞窟があれば理想的だが、生憎アデルはこの山には詳しくない。
休める場所があるかもわからないのだ。