金色の師弟

「わかりきった嘘を吐くような愚か者たちなのだから、貴様らに命じた者も随分と頭が足らんな」

ライラからの嘲りに、男は頬を上気させライラを睨み付けた。

視線だけで人を殺せそうな瞳へと、ライラは満足気に微笑を浮かべた。

「主君を馬鹿にされ憤る騎士と同じ目をしている」

それはまさに、周囲からライラが受けてきた視線であった。

イアンに対する不遜な態度は、彼に忠誠を捧げる者たちからすればイアンを嘲笑っているかのように映っていたからだ。

ライラの言葉に男はぎょっと目を丸くする。

巧みな言葉で相手を揺さぶり、類い稀なる観察眼で心を見抜く。

一挙一動から全てがライラに見透かされるようで恐ろしく、男は俯いてしまった。
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