金色の師弟
黙ってライラの様子を見ていたエルクが、重い息を吐き出した。
「あまり好きな方法ではないが、口さえ無事なら多少痛め付けても構わないぞ」
「……ということらしい。どうする?」
ライラのわざとらしい問い掛けに、血気盛んな男は目を充血させライラを睨み上げた。
受け止めるライラの瞳は、ただ深く冷たい。
「殺すなら殺せ!」
怒鳴り散らす男に、ライラはきょとんとした顔で首を傾げる。
「何を言ってる?殺すわけがないだろ」
「……!」
感情の感じられないライラに、男たちは背筋を凍り付かせた。
ミーナのような優しさがライラにあるわけがなく、エルクのような激情も持たない。
ライラが持つもの。
それは、真実。
冷たく笑うライラを見上げ、二人の男は声を失った。