金色の師弟
また馬鹿なことを言っている、とでも言いたげな溜め息にルイは恥ずかしくなり俯いた。
「お前よりもずっと幼い頃の話だぞ?それで自信があるほうが気味悪いだろう」
「それはそうですけど……」
アデルなら、産まれた時から自信に満ち溢れていてもなんら不思議ではない。
そう思ったルイだが、結局口にすることはしなかった。
改めてアデルの力を見せ付けられたようで、ルイはきゅっと唇を結ぶ。
尊敬する師匠の背中は、あまりにも大きい。
ルイは掴まれていない手で、アデルの服の裾を掴んだ。
アデルの話を聞いているうちに、ルイは不安になっていった。
「私は……貴方を追い掛けていてもいいのですか?」
ルイの不安がそのまま問い掛けとなり発せられる。
ルイにとって憧れであり、目標のアデル。
いつか追い付きたいと願う存在。
だが、今の話を聞いているうちにルイの胸には澱が蓄まるようにゆっくりと不安が募っていった。
アデルの見てきた世界は、あまりにも強大過ぎる。
そう、感じた。