金色の師弟
ルイは弓を片手に、木に刺さった矢の確認に向かう。
暗闇の中、一枚の葉を見つける視力と集中力。
そして、葉の動きを予想し射ぬく精密さを鍛えるために自分で考えた内容であった。
ルイは刺さった矢の先に葉があることを確認すると、安堵の息を漏らす。
「今日も成功……」
「相変わらずだな」
「ひゃっ!?」
人の気配などまるでなかったため、背後、しかも耳元で囁かれた低い声に、ルイは悲鳴を上げてしまった。
声の主は、ルイにとっては考えるまでもないことだった。
ルイの努力を知る者は、二人。
一人は、彼女の守るべき主人である王イアン。
そして、もう一人が彼女の才を見いだした弓の師であった。
ルイは確信を持って振り向くと、予想通りに後者であるルイの師が食えない微笑を浮かべ立っていた。