金色の師弟
にこにこと曇りのない笑みを浮かべたマリーンは、そこで初めてルイと同席していたアデルの存在に気付く。
「まぁ。恋人との時間を邪魔しちゃったかしら?」
片手で口元を隠しながら、マリーンは二人を見比べる。
恋人、という言葉にルイは耳まで真っ赤になり、アデルは楽しげな苦笑を浮かべていた。
「恋人じゃありません、師匠です!」
「あら……そうなの?」
力強く否定したルイに、マリーンは少々残念そうに肩を落とした。
そして、アデルへ視線を向けると頭の上から爪先までをじっくりと観察する。
「……こんな綺麗な師匠さんなんて、羨ましいわぁ」
うっとりとした眼差しを向けられ、アデルは笑みを零しながら片手を振った。
「お褒めに頂き光栄です。しかし、貴方の笑顔のほうが生き生きとしていて美しい」
さらりと誉める言葉には嫌味がなく、それがまたマリーンには好印象であった。