金色の師弟
「そんなことないわよ〜。でも、嬉しいわ」
片目をつむってみせたマリーンは、そっとルイの耳元に顔を寄せた。
「……ルイちゃん、本当にただの師匠さんなの?」
「え?えっと……」
「実は、ルイちゃんの想い人とかじゃないの?」
真っ赤な顔でルイは俯く。
女性はいくつになっても恋愛の話が好きなようで、マリーンも悪気などなく、きらきらと瞳を輝かせている。
俯いてしまったルイが可愛くて、マリーンはにやにやとアデルを振り返った。
マリーンの視線と俯くルイから、彼女が何を言ったかは大方予想できた。
それで俯いているルイに愛らしさを感じながら、アデルは女性なら誰でも息を呑むだろう柔らかな微笑を浮かべた。
「俺はルイが望むのなら、師匠でも恋人でも構いませんが」
マリーンは「まぁ!」と顔を赤くし、軽くルイの背中を叩いた。
これで、ルイへの追及はおしまいだろう。
アデルは自分以外にルイがからかわれているのが面白くないのだ。