金色の師弟
よかったわね、などと言葉を掛けながら、マリーンは思い出したようにルイの目の前で頭を下げた。
「ルイちゃん、お願い!また手伝ってもらえるかしら?」
マリーンに頭を下げられ、ルイは慌てて体を起こさせる。
「頭なんて下げないでください。もちろんお手伝いします」
マリーンは心からの笑みを浮かべて、ルイを仰いだ。
「何をすればいいんですか?」
マリーンは体を起こすと、ポケットを漁り、何やらメモと重みのある袋を取り出した。
「今晩のパーティーで必要な食材をいくつか買い出しに行ってほしいの」
急遽決定したパーティーのため、メイドたちは今目の回る思いをしているとのこと。
ルイは頷くと、マリーンからメモと袋を受け取る。
片手に収まる大きさ袋には、銀貨が詰まっていた。
受け取ったメモを開き中を確認していると、後ろから声が掛かる。
「意外と量があるな」
「わっ!?アデルさん……」
音もなく立ち上がったアデルは、そっとルイの背後からメモを覗き込んでいた。