金色の師弟

ルイの体が、ぴったりとアデルに密着する。

アデルは胸当てや肩当ての鎧を外しただけで、随分と雰囲気が変わっていた。
普段は耳の高さで緩く結んでいる黒髪を下ろして、後ろで結んでいる。
それがまた雰囲気を変えているのかもしれない。
ルイも胸当てや肩当てを外しているのに、何も代わり映えがせず、少し哀しくなる。

じっと自分を見つめるルイの手を、アデルが掴み指を絡めた。

「え?アデルさ……」

「はぐれるなよ?」

「……はい」

ルイはそっと指に力を籠める。
アデルの手に軽く触れ、俯いた。
拒まれないことに安堵しつつ、アデルは自分の手ごとルイの手を持ち上げる。
そして、手の甲に軽いキスを落とした。

「!」

「まぁ、はぐれたところで見つけてやるからいいけどな」

どこにいても見つけられる自信がある。
瞳だけで見つめられ、ルイは益々俯いた。
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