金色の師弟
人が多く進むのに苦労したが、買い出しはあっさりと終了した。
馬に荷物を乗せ切れず、アデルが大きな紙袋を二つ抱え、ルイは大きな紙袋一つを両腕で体の前に抱えた。
繋いでいた手が離れ、ルイははぐれないように自然と馬にくっついて歩く。
「予想より安くお買物出来ましたね」
「あぁ。これもお祭り雰囲気のおかげだろうな」
「えぇ。本当にお二人には幸せになってもらいたいです……」
話しながら自分より大荷物のアデルに、ルイは申し訳なさげな視線を送る。
だが、代わりに持とうにもルイの手も塞がっており手伝うことは出来ない。
腑甲斐ない思いに口数が減ると、アデルは苦笑を浮かべた。
「大丈夫か、ルイ?」
「あ、はい。アデルさんは……?」
「俺も平気だ」
アデルの口から平気と言われてしまえば、ルイは荷物に関して何も言えなくなる。
遠回しに心配するなと言われ、ルイはその言葉に甘えることにした。
「では、帰りましょうか」
残念という気持ちが声に表れないように気を張りながら、ルイはアデルを仰いだ。