金色の師弟
だが、先輩としてルイのひた向きさは心配でもある。
ただでさえ頑張っているルイに、これ以上頑張れと励ますことは出来なかった。
それにおそらく、カトルの知らない努力だってしているのだろう。
カトルは少しだけ考え込むように空を仰ぎ、満面の笑みを浮かべてルイを見下ろした。
「ルイはルイのペースで進めばいいんだよ。アデル将軍だってそう思っているんだから」
ルイはカトルを見上げ、首を傾げた。
カトルは目を細め、ルイの隣へ腰掛ける。
「アデル将軍はルイのことを凄く大切にしてる。あんまり急がなくていいんだよ」
言っている意味がわからないくて、ルイは眉をしかめた。
その姿に、カトルは言葉を探しながら顎を撫でる。