金色の師弟

そして、大事にされている当の本人は、急いでその背を追い掛けようとする。

無理をするなと言っても無理をする。

アデルのいない今、彼の代わりにルイのストッパーとなれるのは自分しかいない。
妙な責任感に目覚め、カトルはルイの肩を叩く。

「アデル将軍とは会えても早くて三ヶ月くらいでしょ?それだけあれば、ルイなら同じことが出来るようになるよ」

カトルの励ましに、ルイは顔を上げ頬を緩めた。
しかし、その表情は依然として曇ったまま。
理由がわからずカトルは首を傾げるが、ルイは寂しげな微笑を浮かべたまま目を伏せた。
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