金色の師弟
穏やかな沈黙が流れる修練場に、二人はしばらく座り込んでいた。
身体と心の両方を休めるように、二人は俯き全体重を木に預けている。
誰もいなかった修練場に、新しく二人分の足音が響く。
誰か修練場を利用しに来た兵だろうと、二人は特に確認せず俯いていた。
ざく、と草を踏む音と同時に、修練場には不釣り合いな穏やかで温かい声が二人の上に降ってくる。
「近衛隊のお二人ですね」
「……!」
「ミーナ様!!」
悠然とした笑みを浮かべそこにいたのは、本来ならいるはずのない、特にメルディ国の城内でも修練場で見かけることはないはずの存在であった。
腰まで伸びた艶やかな藍色は、陽の光を浴びてさらに輝きを増している。
髪と同じ藍色の瞳を細め、ミーナは二人を見つめていた。
首から胸元までに控えめな白いフリルが付いたブラウスと、膝までを覆う茶色のパンツ。
すらりと伸びた足は黒いタイツに包まれ、素肌を守っていた。
動きやすい衣装でありながら、上品さのある姿に、彼女の笑みはよく似合う。