金色の師弟

アデルは三人のために、軽い夕食を作ってやった。
手伝いを申し出たルイだったが、アデルはクッキーの一件を思い出し断った。
しかし、ルークが申し出たときにはあっさりと手伝わせたため、ルイは釈然としない気持ちで座っていた。

そして、テーブルを飾る皿たちに、ルイは目を瞠った。
シェーダの現状から、手に入る食材はそう多くない。
貴族であるアデルは平民に比べれば簡単に食材を手に入れられるのだが、地位を利用するような真似はしたくなかった。
だから、テーブルの上の皿の数は少ない。

少ないが、綺麗に盛り付けられ、温かな湯気が昇る皿たちに、ルイの腹の音がくぅと鳴った。
丁度三人分のスープを運んできたアデルが、くすりと笑う。

「もう少し待てるな?」

「はい……」

余裕のある笑みに、ルイは頬を染め俯いた。
正面に座るジョシュアも、楽しそうに笑っていた。
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