金色の師弟

メルディ王国とシェーダ王国、そして二国に挟まれ海に面している肥沃なオネスト王国の三国間には友好同盟が結ばれている。

これはメルディとシェーダの北に接するテルーベ大河の先にある軍事大国ドルネアからの侵略に備えたものであった。

三国は共に小国であり、大国に攻められては勝機などない。
テルーベという大河が防波堤になってはいるものの、それに油断して手を打たないのはただの愚か者である。

そこで、三つの小国は手を結んだ。

テルーベ大河に接した西側のメルディ王国。

早くから従来の貴族制を廃止し、志願兵を多く集めることで軍の強化を進めた小さいながらも実力者の多い国である。

そしてメルディ王国の東に位置するシェーダ王国。

他の二国に比べれば土壌の質は落ちるが、鉱山が多く強力な武器を作る。
鉱山での働き手に村人たちを使っていたが、最近はメルディを真似し志願兵を募り始めた。
軍力の拡大を量る国である。

そして、二国の中間にあり最も肥沃なオネスト王国。

豊かな緑に生命溢れる川、広大な海と自然に愛された土地であり、食料の生産力は他国と比べても群を抜いて秀でている。

しかし、オネストの人柄は温厚で軍の力は弱い。

オネストで賊が現れたり、他国が侵略してきた場合はメルディとシェーダが出陣し、メルディとシェーダに飢饉が訪れれば、オネストは食料を送る。

互いに上手く利害を一致させた同盟は、百年以上もの間続いてきたという。

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