金色の師弟
さらには、メルディ王国の王イアン、シェーダ王国の王エルク、オネスト王国の王女ミーナは幼き頃から共に学び遊んできた幼なじみである。
それが尚更に国家間の関係を友好的なものとし、三つの国はことあるごとに協力し、国の平穏を保ってきた。
アデルがルイを見つけたのは、半年程前にオネスト王国が海賊の被害に遭い、メルディとシェーダの両国から討伐隊を派遣した際だった。
海上の海賊船に奇襲を仕掛けるため、弓兵を中心とした部隊で出兵した。
三国間は交流も多いため、能力のある将が他国に指南を行うこと自体は珍しい話ではない。
そこでアデルはルイに才を見いだし、直接指導をしたのだ。
その時の関係が今でも続き、機会があればアデルはメルディ王国にやってくるようになった。
今ではルイに限らず、何名かの弓兵にも師匠と呼ばれている。
それでも、わざわざ見に足を運ぶような相手はルイしかいない。
アデルにとって、ルイは特別目を掛けている弟子なのである。