金色の師弟
(アデルさんが、私を大切にしてくれてるとか言うから……)
ルイにも、アデルが優しい人間であることくらいわかっていた。
しかし、まさかカトルが言うように大切にされていたなんて。
なんとなく、会いたくなった。
そして、練習の成果を見せて喜ばせたい。
仄かに熱を帯びた頬。
こんな想い、初めてだった。
「……ルイ?」
「は、はい!?え、あ、イアン様っ!?」
考えに耽っていたルイはイアンに気付けず、俯いたままだった。
それを面白がったイアンが、笑いを堪えながらしゃがんでルイを覗き込む。
青い瞳とばっちり目が合い、ルイは慌てて顔を上げた。
辺りに控えていた兵士たちも、くすくすと笑う。
ただ一人、前将軍で今はご意見番としてイアンに仕えるディオルだけは苦い顔でルイを睨んでいた。