金色の師弟
新緑の瞳で挑むようにイアンを見上げ、後ろで一つに結んだ同じく深緑の長い髪を揺らす。
跪くことはせず、少年は不遜な態度で立っていた。
仏頂面でイアンを見つめる眼差しは、敵意を持って睨み付けているようにも見える。
しかし、その男は常に眉間にしわを寄せているため、イアンは気にせず笑顔を浮かべた。
「ライラが、嫌な感じがすると言うんでね。一小隊をオネストにむかわせることにした。そこに、ルイも行ってほしい」
「……え?」
断る理由などなかった。
しかし、ルイは状況が理解出来ていない。
隣に立つライラが、ルイを見下ろしため息を吐く。
「前にミーナ姫がいらしたとき、最近デモンドからやたらと婚姻を迫られていると話していた。確かに、今のオネストは国王が病床だから狙い目ではある」
「つまりね、ライラはデモンドが怪しいと考えているんだ」
イアンの言葉に、ルイは眉をしかめる。