金色の師弟
イアンの話が終わると、ライラはくるりと背を向けて歩きだしてしまった。
ルイは一礼すると急いで立ち上がり、ライラへと並ぶ。
ライラはルイなど気にせず、自分のペースで歩を進めた。
王座の間を後にし、しばらく歩いてルイはライラに声を掛ける。
「出発はいつの予定ですか?」
「明日の早朝。遅れるな」
「はい」
あまり高さの変わらない位置にある深みのある緑の瞳を覗き込みながら、ルイは頷いた。
ライラはすぐに、反対へと顔を背ける。
首の動きにつられて揺れる後ろで束ねられた髪も、瞳と同じ夜の森のような緑色で、尻尾のようにライラに付き従っていた。