環七あやめの遊戯
それどころか、実はそのラーメン屋の名前や場所さえ、はっきりと覚えていなかったものだから始末に負えない。

-ふーむ、困ったねえ。唯一の暇つぶしがこんな感じじゃあ、暇すぎて耐えることが出来ないよ。-

事実、彼はかなりの暇人であった。同年代の学生達と比べれば、クラブ活動はしていないし、バイトもしていない。

そうであれば、ゲーム機で遊んだり、マンガでも読んで暇でもつぶせばいい話なのだが、その点で言えば、彼は不幸な少年であった。

彼は、精神年齢だけで言えば、随分と年寄りかも知れない。
既製品、つまり誰かから与えられた娯楽には、もうすでに飽き飽きしていたのだった。

-とりあえず、コンビニへいって調べるか…-

携帯電話のネットでは、うまく地図が表示されなかったので、あやめはコンビニで地図を立ち読みして調べることにした。

この周辺には間違いない。だから、周辺地図さえ見れば、一発で検索出来る。あやめは、そう考えていた。
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