環七あやめの遊戯
しかし、そう事はうまく運ばなかった。地図が載せられている雑誌にはビニールがしてあり、見る事が出来ない。

周辺地図付きのグルメ雑誌を手にとっても、彼が聞いた記憶の無い店の名前ばかりで、全く役には立たなかった。

-この辺りのはずなのに-

あやめは、直ぐにでもそのラーメン屋に着いて食事をしている予定だったものだから、先程、空腹状態で食べるラーメンの美味しさを待てず、自販機のジュースを買って飲んで後悔していた事が、結局正解だった事に、すごく残念がった。

-俺はな、こんな長くなるであろう、ラーメン屋探しの旅をする為に、一旦ジュースを飲んで空腹をしのごうとしたんじゃ無いんだよ。-

皆さんも経験は無いだろうか。自分の選択した事柄の結果が、結果オーライだった事に苦笑いをしてしまったと言う事を。

あやめは、小さい頃から特に、こういう事を異常に気にする少年だったので、たとえ結果が最悪だったとしても、(この場合、空腹に負けてジュースを飲んだせいで、食べるラーメンの美味しさが半減してしまうという事)それは自分で下した判断による物だから、それで納得したかったのだ。
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