環七あやめの遊戯
良くも悪くも、あやめが成長する上で身につけてしまった、『与えられし物、潔癖症』。



雨が降り出した。一本六百円もするビニール傘をこのコンビニで買い、再びラーメン屋探しの旅に出た。

小雨が降る、七月の風景。今年は、前年に比べて冷夏らしく、こんな小雨がふっただけでもずいぶんと身体が、冷える。
だが、それさえ我慢できれば、なかなか雨降りの風景も良いものだ。

小雨によって、辺りの視界がぼやけて、なんとも幻想的な雰囲気を醸し出している。

そんな風だから、いつの間にかあやめは、鼻歌を歌うまでに機嫌が良くなっていた。



しばらく歩いた後、おやっ、と、あやめは思った。先程から、あやめは歩きながら色々な事を思い出していたのだが…
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