環七あやめの遊戯
…道路の端に植えられている木を見ては、小さい頃遊んだ公園の風景が脳内で再生される。

他にも、道端の溝を見れば、いつかふざけて友達とじゃれ合っていた時に、足を滑らせてはまって、ズボンがびしょびしょになった事。

地面に落ちている小石を眺めれば、割れた時に見える火花が見たくて、家から持ち出してきたハンマーで、一心不乱に落ちている石を叩き割って遊んだその時の事。



「きゃっほーいっ!」



あやめは、思いもかけない大発見の興奮の為にそう叫び、思わず通りがかりの猫を、思いっきり蹴り上げていた。

『ギャニャー』、か、『プギャー』か、そんな声を上げながら、空中を大回転しながら、その通りすがりの猫は道路脇に派手に吹っ飛んでいった。

-ああ、俺は突然、世界一暇を持て余さなくてもいいラッキーボーイになってしまった。

でも、間違い無いか?


…うん、間違い無さそう。あれも、これも。う~ん、素敵。-

彼が何を言っているのかと言えば…
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