☆消えてしまったわたしの赤ちゃん☆14歳の妊娠・・・ ~セックスを軽く考えないで~
「あら、ずい分と時間がかかったのね。」


家に帰ってきたとき、何も知らないお母さんは普段どおりの口調でそう言った。



「うん・・・。」


わたしはただうなずくことしかできなかった。



「それでお医者さん、何だって?」


「うーん・・・、たいしたことないって・・・。」

とっさに口から出た嘘。


「そう、よかった。じゃあ、夏バテしてただけなのね。」


お母さんは安心したようにそう言うと、夕食を作る準備をしに台所に行った。





言わなければならないのは、分かっていた。


でも言えない・・・。


妊娠したなんて、とても言えない・・・。




わたしは自分の部屋に上がり、ベッドの上に座り込んだ。




こんなことになってしまうなんて・・・。


一体、これからどうしたらいいんだろう・・・。


こんなこと、誰にも相談できない・・・。どうしよう・・・。




そして誰にも相談できないまま、夏休みは終わり、わたしは二学期を迎えた。


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