☆消えてしまったわたしの赤ちゃん☆14歳の妊娠・・・ ~セックスを軽く考えないで~
涙が止まらない。


涙で目が曇って、剛の顔ももはや見えない。


わたしは剛の力強い腕が、そっとわたしの体に回されるのを感じた。


そしてゆっくりと彼の胸に抱き寄せられるのを。


わたしは剛の大きな胸に顔をうずめて泣いた。


しゃくりあげるたびに、剛の大きな手がわたしの背中を優しくさすってくれた。



たくさん泣いた。


ただひたすら泣きつづけた。


泣いて、泣いて、もう涙も出ないくらい泣いてしまうと、わたしは剛の胸からそっと顔を上げた。



「ありがとう・・・。聞いてくれて・・・。」


わたしはほとんどささやくほどの声で剛に言った。



「うん。」


剛はうなずいた。


「辛いのに・・・、おれに話してくれて、ありがとう・・・。」



剛はわたしの顔にそっと手を当てて、最後にこぼれ落ちた涙の雫をぬぐってくれた。


前に夢の中で、美幸がそうしてくれたように――。


そのときわたしは、剛の頬にも一筋の涙のあとがあることに気付いた。



剛もわたしと一緒に泣いてくれたのだ。


わたしの赤ちゃんのために・・・、


美幸のために・・・、泣いてくれたのだ・・・。


ありがとう・・・。


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