☆消えてしまったわたしの赤ちゃん☆14歳の妊娠・・・ ~セックスを軽く考えないで~

紅いモミジの葉が、一枚、また一枚、はらりと落ちていく。


頬をなでる風が冷たくなる。


冬はもうすぐそこまで来ている。



秋の間、剛はあのあと二度、わたしをバイクに乗せて、紅葉のきれいなところに連れて行ってくれた。


わたしたちは赤や黄色に染まったきれいな葉っぱをながめながら、お弁当を食べたり、散歩をしたりした。


そして二人で、木の葉の間から見える青い空を仰ぎ見た。


秋は心にさまざまな思い出を残して、過ぎ去っていく。





十二月。


もうすぐ冬休みが始まる。


わたしと梓はクリスマスイブに、ちょっとしたパーティーをする計画を立てていた。


しかしパーティーをどこでするのかは、まだ決まっていなかった。


さわいだりするとお父さんが怒るので、わたしの家はパーティーには向かない。


梓の家でしようとほぼ決めかけていたとき、梓がふいに何か思いついたのか、ぽんっと手をたたいてこう言った。


「あっ、そうだ!お兄ちゃんのところでしようよ。あそこなら、親にじゃまされることもないし。」


「えっ・・・?」


わたしは一瞬、とまどいの表情を浮かべた。


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