☆消えてしまったわたしの赤ちゃん☆14歳の妊娠・・・ ~セックスを軽く考えないで~
「いないよ。」


剛は明るくそう答えた。


「それじゃあ、お茶でも淹れようか。何茶がいい?」


「わたし、紅茶。」


梓が言った。


「わたしも紅茶。」


わたしも言った。


「了解。」



剛はさっそく台所に行くと、お湯を沸かし、戸棚からカップと紅茶のティーバックの入った箱を取り出した。



わたしは先ほどの剛の表情のことが気になりつつも、これ以上何も聞くことができなかった。


何だか、聞いてはいけないような気がした。




剛はわたしと梓のために、紅茶を淹れてくれた。


ソファーに座り、紅茶を飲みながら、紅茶を淹れてくれるとは、なんていいお兄さんだろうと思った。


うちのお父さんなんて、お母さんにお茶くれと言うだけで、自分で淹れようともしない。


紅茶を飲みながら、剛のほうをちらりと見てみたが、そこにいるのはいつもの剛だった。


さきほどの悲しげな表情は、もしかしたら気のせいだっただろうか・・・。



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