☆消えてしまったわたしの赤ちゃん☆14歳の妊娠・・・ ~セックスを軽く考えないで~
「酔っ払う親から生まれたんだから、梓も絶対酔っ払うよ。」


剛は梓に言った。


「おまえははたちになっても、酒禁止にしといたほうがいいな。じゃないと、大声で歌いだしたり、変な踊りを踊りかねないから!」


「えーっ、そんなー!!」



剛お兄さんが酒に酔わないことを、話題にしてしまったけれど・・・、もしかしたら本当のお父さんのことを思い出させてしまったのかな・・・。


わたしは思った。



剛は明るく話しているけど、心のどこかでは、自分の体には今のお父さんの血が流れていないことを、意識しているのだろう・・・。


どんなに今のお父さんと心が近づけても、やはり剛の本当のお父さんは別にいる・・・。


意識したくなくても、どうしてもそれを感じてしまうことだってあるだろう・・・。


お酒が飲めたり、飲めなかったり、そんなささいなことも、遺伝と関係しているのだから・・・。




ディナーを食べ終わると、三人でケーキを食べた。


甘いケーキを食べながら、わたしは、美幸もお供え物のケーキを食べたかなと考えていた。




ケーキを食べてしまうと、梓は持ってきていたリュックの中から、何やら赤っぽいものを取り出した。


「ほら、これ見て!」


梓が取り出したのは、真赤なサンタクロースの衣装だった。


< 245 / 392 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop