☆消えてしまったわたしの赤ちゃん☆14歳の妊娠・・・ ~セックスを軽く考えないで~
「そこの大きな花壇、五月になったら、いつも真赤なチューリップが咲くんだ。」


剛はわたしに言った。


「そうなの。真赤なチューリップが・・・。」


わたしははっとして、剛を見つめた。


「剛お兄さん、もしかして、赤いチューリップの花言葉を知ってて、わたしの誕生日にプレゼントしてくれたの・・・?

あのとき、ほんとは・・・、わたしに告白するつもりだったの・・・?」


「うん。」


剛はうなずいた。


「でも梓もいたし・・・、言おうとしたけど、結局言うタイミングを逃したよ。」


「そうだったの・・・。わたし、あのときはてっきり、剛お兄さんは花言葉を知らなくて、赤いチューリップをくれたんだと思ってた・・・。

クリスマスだから、赤にしたのかなって・・・。」


「花屋で若い男が、真赤なチューリップの花束を買うのは、けっこう勇気がいったけどね。花屋のおばさんから、好奇心満々の目で見られたし!」



わたしは剛が真赤なチューリップの花束を買っているところを想像して、思わず笑い出した。



「こら、笑うなよ!二度も真赤なチューリップ、買いに行ったんだから!」


剛はわざと怒ったふりをしてそう言い、それから一緒に笑い出した。


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